弱いの知ってるけど

弱い自分と向き合い勇気を出させて30年サラリーマンを頑張ってきました。転職5回、仕事や転職の失敗談や理不尽・達成感・乗り越えた経験を紹介させてもらってます。 少しでも力になれたら、嬉しいです

クレーム多発で笑わなくなった自分

私が通販で苦労したのがクレーム対応なのですが、特に組立家具のクレームが大変でした。みなさんも通販で安いからと買った書庫やデスク、ベットが組立式で苦労しながら組立ての経験をした方も多いと思います。

当時は穴が開いているべきところに開いていないとか、ネジが不足しているとか、引き出しがきちんとハマらない等などが多かったのです。

特に子供の新入学で売れたのが入学時のデスクやデスク付きのベットです。

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子供のことになると普段クレームを言わないであろうと思われるお客様もクレームが強くなります。自分の子供が買ったばかりのベットやデスクを早く使いたいと言ってる中、我が家のヒーローのパパが、組み立てていて部品がなかったり、穴がなかったりするために組立途中で作れなくなるのですから、それは「今すぐ持ってこい!今すぐ穴を開けにこい!」と言いたくなりますよね。

計画的に行動されている方はもともと使っていたベットを処分してから新しいベットを組立てたりするので組立てられなければ、ベットすらない中で不足部品が届くまで寝るとこがないからどうにかしてくれと本当にご立腹されます。怒鳴りたくなるのは当然です。

また、このような子供用デスクなどの季節商品は注文が集中するため、欠品になることが多くネジ1本すら次回の中国からの到着待ちになってしまうのです。

ひどいときには次回入荷が3ケ月待ちになったりしました。たいていこの商品用の特殊な部品やネジで一般に販売されていないものでした。

本当に対応している私もやりきれない思いになりました。

また、お客様の組立ては休日の土曜日に行うことが多く、土曜日はクレームのピーク曜日でした。土曜日は物流センターや本社が休んでいるので月曜日まで回答を待っていただくしかなくそれも苦労した原因でした。

私がクレーム対応している横でお客様情報の書いた紙を持ったオペレーターが2~3人並んでクレーム対応待ちをしていることもありました。3~4件連続で対応していると対応している途中に最初に対応したお客様からまた電話が入ったりして、もうクレーム案件もわけわからなくなったりして、「デスク」のクレームなのに、「書庫」の件で話してしまい、「お前、客の話しをちゃんと聞いてのか!」と更にクレームを増長することもありました。このお客様の商品だけは絶対に届けないとと思っている商品に限って、入荷が遅れたりするんです。

それはそれはひどいものでした。

出勤するごとに担当するクレームが増え、男性社員は常に30件~40件程度は抱えていたと思います。

このようなストレスが段々と心をむしばんでいくんです。私はオペレーターも大変な思いをしながら電話対応してくれているので、いつでも相談できる管理者であるべきと考えていただので、笑顔で話しを聞くように心がけていました。オペレーターからも話しやすいので安心できますと言ってもらってました。

しかし、このようなクレーム地獄だと笑顔すら出なくなっていってたようです。自分自身も気づかずにいたんです。

朝8時~23時までは会社にいました。シフトで休みの日もお客様がどうしてもこの日に連絡を希望されれば出勤したりしていました。

精神疾患の経験のない私でもさすがに体調がおかしくなります。

  • 自宅に帰ってもクレームでやらなければいけない処理を思い出す。
  • 対応に悩んでいるものが頭から離れない
  • 食欲がなくなります。
  • 食べることが面倒になってくる
  • 睡眠中に変な夢を見る
  • 深夜に突然起きる

 などなど、本当に鬱になっていたのだと思います。

後で考えてみると他の社員も表情が暗くなっていましたね。

 

ある日、オペレーターと話しをしているときに「さとうさん、久しぶりに笑いましたね」と言われました。

自分では気づいていなかったので、「そんなことないよ、普通だよ」と言っても「そんなことないです(笑)」とのことでした。

確かにこの頬の筋肉を久しぶりに動かしたという感触を感じました。いつからだろうと考えてみると1ケ月半前ほどから笑っていなかったのです。

そして、そのオペレーターに謝りました。

「僕なんかに気をつかわせていたんだね。本当にごめん。みんな感じていたのかな?」と聞くと「しょうがないですよ。あんなクレームの連続ですから、みんなわかっていますから、大丈夫ですよ」と言ってくれました。

本当に申し訳ない気持ちとこのオペレーターを僕らが守らないとという気持ちが湧き出してきました。そして「理不尽なことも多いけどこのような人たちと一緒に立ち向かえるなら何があっても乗り越えられる」と確信しました。

するとあのうつ状態の症状が一気になくなりました。

本当に不思議でしたが私の大切な経験になりました。

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人の気持ちは人で変えられたり、乗り越えられるんだと信じています。

その後、私が所属長になってから、他の部署でうつ病になってしまった社員を自分の部署で引き受けて面倒みたりしました。そのような人に入り込みすぎるとよいことはないと言われたりしましたが、自分が救われたようにやれることはやってみたい、本当に相手の気持ちに飛び込んでみたら治るんじゃないかと思ってやっていました。こんな人間が一人ぐらいいてもいいだろうと...

 

社員が精神疾患になるとすぐに「産業医に面談をまかせる」「会社で契約しているカウンセラーにまかせる」とか自分の部署で発生したにも関わらず、逃げるというか、関わらなくしようとする役員や管理職が多いです。

自分の担当部署で発生しているにも関わらず、人事や総務の部署、専門家にまかせて逃げているから、このような病気になる人が減らないのだと強く感じます。

「管理職のみなさん、部下の業務の習熟だけではなく、愛情を持ち人間的成長をしようとしなければ会社の発展につながりませんよ」と強く言いたいです。

会社が1年で決算するように人のことも年間コストだけで見てるんじゃないかと思われる役員とか最悪です。せめて部下からそう見えないようにしてほしいです。