人は序列を学び、序列で苦しむ、せめて序列を人のために役立てる
人は残念ながら序列をつけたがりながらも序列をもっとも恐れる生きものです。
飼われている犬はそこに一緒に住んでいる人に序列をつけるというけれど、人間も一緒です。
そして、自分が関わる人の集まり、その集合体の中で序列の中のどこの位置なのかを気にし続け、しまいには自分が下位の位置にならないことを懸命に考え、悩んでいる生きものなのではないかと思うのです。
「それは、家庭の中でも...」
「学校でも、特にクラスの中でも...」
「会社でも、部署内であれば更に意識が強いでしょう」
今の保育園等でもあるのかもしれませんが、私の知っている保育園にはそのようなことがありませんでした。
それが、小学校に入ってから、少しずつ競争に巻き込まれていくのです。
それは親にも原因があると思いますが、学校の教育にもテストの点数などの順番を意識させるものが増えていきます。
そして、中学になり、クラスの順位や学年の順位を突き付けられ、自分の順番を意識付けされるのです。
このようにして、全ての人が序列の世界に突入していくのです。
これがいじめの温床になっているとも感じます。
最近では「スクールカースト」なる学校の序列の言葉が出てきて、「今の子供達はそんなことまでするのか?」と私達、大人が驚いたりしていますがその序列を学んでいるのですから、このようなことが現れるのは当然のことなのでしょう。
そのような序列の教育をしているのですから...
私のことになりますが、今までこの序列の上位を目指してサラリ-マンを続けて、部下もできるほどの位置も経験しましたが、結局、自分もやっていることは、組織を作り、上下をつけて「序列」で統制することでした。
組織みんなで一つになってがんばり乗り越えて、涙が出るほどの経験もしましたが、この「序列」は常につきまとっていました。
私は「人間がすべて平等が正しい」と言いたいのではないのですが、会社という世界の中でみんなが心から納得できる方法を「序列」以外で見つけたかったのです。
会社というものは上司部下の「序列」が当たり前で、それはなぜ必要なのかもよく考えない人や経営者が組織という名の身勝手な「序列」を作っているのです。
だから、対人関係のトラブルが発生しやすくなり、ハラスメントが誕生してきたのだと思います。
「なぜ、そのような組織なのか?」
「なぜ、その人が経営するべきなのか?」
「なぜ、その人が上司なのか?」
「顧客のためになる組織なのか?」
「従業員のためになる組織なのか?」
「経営者や上司に都合のよい組織になってはいないか?」
これを全て組織の経営者や上司が部下にきちんと説明し理解
できる組織であるべきです。
その組織を作るために上の立場の人間は苦しむべきなのです。
たとえ数名の部署でも必ず全員に説明できる「組織(序列)」は作れます。
とことん悩めば少しの光が見えてきて、そこから、部下の成長や組織の発展や目標達成までイメージできます。
悩み苦しむことは絶対に裏切りません。
部下や人ときちんと向き合って、部下であろうと相談し考えれば答えは必ず出るものです。
人間間の関係が希薄な時代だからこそ、このような関わり方が想像以上の共感につながるものです。