就活に悩む学生の行動に驚き
通販会社のコールセンターは9:00~21:00までの営業時間が多く17:00~21:00は学生が多く勤務してくれていました。
その中で結構、優秀なオペレーターの女の子がちょっとプライベートな件で相談があるんです。とのことでした。
普通の職場だとこのようなことは受付ないのかもしれませんが、私はプライベートの相談をアドバイスして解決できれば、その後の仕事もがんばってくれ、お客様対応もより親切に対応してくれるので、相談を受け付けるようにしていました。
このようなことがお客様との電話応対に影響するんです。
大学4年生で11月になっても内定がもらえていないとのことでした。就職が厳しい時期だったので仕方ないところもあったのですが、「それならこのままここでアルバイトで働いてくれたら嬉しいけど、そうはいかないよね?」と聞くと「はい、大学出てアルバイトということはできないです。4年間仕送りをしてくれた両親に本当に申し訳ないので」とのことでした。
それは、確かにその通りだと思いました。
アパレルメーカーで商品企画をしたいとの夢があり、その会社を何社も受けて、ことごとく落ちてしまっていました。11月まで面接している会社はもうほとんどない状況でした。
この1年前に就職して退職したオペレーターで就職氷河期にも関わらず、すぐに就職の決まった学生オペレーターから聞いたことを思い出し伝えてあげました。
その子は自分の入社したい会社があり、その会社が新卒採用を見送ることを決定していたのですが、ダメもとで人事部に電話して、どうしても入社したいので、ダメなのはわかっているが、面接だけしてもらえないかと懇願し、面接してもらい1人だけ新卒入社することになったとのことでした。(この行動力に驚いたのを覚えています)
この話しを悩んでいる子に伝えると目を輝かせて、「私ももう1回行動してみます!」とのことでした。内定もらえなかったら「ここでアルバイトしながら中途入社を目指すのでもいいんじゃない?」と最悪のことも考えて、アドバイスしました。
それから、1週間後、突然、人事部から連絡がありました。
「そこで、アルバイトしているオペレーターから人事部長宛てに電話があり、面接してほしいと言われていて、新卒採用はもう終わったんだけど、面接はしてみようと考えてるんだけど...どんな子かな?」とのことでした。
本当に椅子から転げ落ちそうになりました。
まさか、その行動を私の会社にするとは考えてもみませんでした。しかし、本当にがんばって行動している姿が浮かび、人事部には日ごろのがんばりを伝えました。
嬉しかったというか感動したことを今でも覚えています。
結果的にその子は面接して、内定はもらえませんでしたが、他にもいろいろな会社の人事部に電話をして12月には内定をもらって無事に学校もアルバイトも卒業していきました。
このような経験も私が大切だと思う「人のために、がんばる人のために、生きたい」と本気で想えるようになったことにつながっています。