責任から逃げる役員と上司の話(こんな会社辞めたい!転職したい!)
社会人としてサラリーマンをやってきて、はじめて役員や上長に対し、
「こいつら、逃げてるよ!ずるいよ!
自分を守ることだけ考えてる奴が偉くなるのか!」
と心から腹立たしく感じたことのお話しです。
私が部署の長となって1年程経過した30歳前半の頃です。
当時、流行していた独立採算制を会社が導入し、各部署が小さな会社として採算をとっていくというマネジメントが開始されたときです。
この導入する前から、不採算部門は縮小したり、部門がなくなったりが激しくなりはじめました。
1部署ごとに社長がいる状態で私も「楽しみ」もありましたが「怖さ」の両方がずっしりと自分の肩にのしかかってきました。
自分の部署だけでも抜きん出た利益を出して、社長賞でも獲ってやろう!と考えていましたが、私が担当していたのは東京の拠点だったので、全国の中でもっとも人件費が高く利益を出しにくい環境でした。
立地を考慮するように意見はしてみましたが、逆にその立地を生かして独自性のあるビジネスを探せばよいとのことでした。
社内を横で見ると理不尽でもありますが、確かに東京は人口が密集していたり、企業も多いのでそこを生かしたビジネスチャンスもあるとも思いがんばる覚悟をしました。
拠点のインフラを利用して自由にビジネスしてもよいとのことでもあり、その分の責任も持てとのことです。
そして、会社の指示で社内の業務から社外向けのBtoB事業としてスタートすることになりました。
最初は社外業務の研修、新たなシステムの導入、オフィスのレイアウト変更の工事費などで多くの費用を使い、初月はなんと2,000万円の赤字となりました。
担当役員や事業の長は、制度を変えて初月はこのようになることはわかっていたにも関わらず、「この赤字はまずい!」と突然この赤字を回収するための施策の提出を求めら
れました。
「ちょっと待ってくださいよ!、初期投資もあるのにすぐに赤字の責任をとれなんて、ひどくないですか?、それに対してはがんばりますけど...」
と伝えましたが、役員会でそのような話しになっているからとのことでした。
本音は自分たちもそこまですぐに要求されると思っていなかった
ようですが、社長に指摘され、すぐに改善するとハイハイ言ってしまったためでした。
この役員も部長もそれをそのまま、私への指示に向けてきたのです。
まだ、正直に言ってくれるのなら納得できるのですが、2人とも逃げる人達だったので偉そうにそれは私の仕事だと言ってきました。
「何度も言いますけど、それは、最初からわかっていたじゃないですか?」
「採算を合わせるためにリストラしたり、アルバイトの時給も下げろとのことですね?」
と聞くとその返事が...
「リストラしろとは言っていない。どんな方法でも採算あわせればいいから」
とのことでした。
「はっ?」と思わず言ってしまいました。
本来、リストラしたり時給を下げたりするのは、法的にも会社の社長や担当役員が責任を持つことなのに、それも投げ返してきました。
『こんな自分だけを守ろうとする上司やその上の役員も信用なんてできない。
独立採算だから自分とメンバーだけで利益出してやる!
このような信用できない人達の指示は受けないようにしてやる』と自分の心に誓いました。
その後に人事に電話して「リストラや時給を下げようと思うのですが、トラブルがあると思いますので、その際はよろしくお願いします」と伝えました。
「上司や担当役員に報告されてますか?」とのことでしたが、「採算あわせるなら自分で考えてやるように指示されてます。リストラや時給ダウンも聞きましたがそれには回答もらえず自分で考えてやるようにとの指示でしたので、私はリストラの指示と取りました」と回答しました。
人事担当者も人事部長に報告しておきますと言いながら驚き、困っていましたが私なりに人事へ報告しておくことで、トラブルがあっても会社の責任にもなるようにしておきました。その後に人事部長と担当役員で話し合いが行われたようですが、私には何の連絡もアドバイスもありませんでした。
そして、私はどうせ不採算部門として部署の閉鎖に追い込まれるならと契約社員の5名のリストラとパート職員170名の時給のダウンを悩みながらも実行していきました。
パート職員の一人一人に2時間ずつ面談をして、東京のこの拠点の置かれている赤字の状況を伝え、
「閉鎖に追い込まれるならみんなで最後まで力をつくしてがんばってみたい!それでも閉鎖になったら自分も辞めるから、申し訳ない、時給を下げさせてほしい。いつか戻せるようにがんばるから...」
と伝えました。
本当にみんなよく理解してくれました。ありがたくて、申し訳なくて、いろんな気持ちになりました。
これで退職者が多く発生し人員が少なくなると業務量も下がり、売上も減ることになるので、退職者を出さずに時給を下げるということが必要だったのです。
そして、時給を下げる契約を行い2ケ月後には黒字化になりました。
計画を上回ることはできたものの、決して笑顔でその黒字の数字を見ることはできませんでした。
そんなことよりもみんなに必ず時給を戻す約束を果たそうとばかり考えていました。
これを進めていく中で自分の待遇に疑問を感じ、自分の給与も下げるよう上司にも言ったことはありましたが「それは、人事考課のタイミングではないのでできない!」との回答をもらいました。
自分のこのような行動は結局は私自身も自分を守るためにやっていることのように思えてきました。
「担当役員や上司と一緒かよ!」と腹立たしく感じました。
そして、ものすごく悩み、苦しみ、このように虚しさを感じ、当時の記録に書いていました。
『会社勤めを続けることって、だんだんとずるくなることや自分を守ることの行動なのかもしれない、自分は心の底からそのように思ってないと誓える。
しかし、会社は業績悪化になるとしっぽを切ることもする、それって「自分を守ること、ずるくなること」と一緒だと思う。
結局、このような手法で会社というものは成り立っている。会社というのは未熟な手法なのかもしれない。』
サラリーマンとは自分を守ること、ずるくなることを教わり成長することなのでしょうか?
ここだけは大人になりたくないと思うから、役員や経営者になれなかったのだと思います。よかったです。