弱いの知ってるけど

弱い自分と向き合い勇気を出させて30年サラリーマンを頑張ってきました。転職5回、仕事や転職の失敗談や理不尽・達成感・乗り越えた経験を紹介させてもらってます。 少しでも力になれたら、嬉しいです

会社の常識が社会の非常識(思い込みだった)

「会社の常識は社会の非常識」という言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、私が初めて社員として勤めたときに会社というのはこういうものか?と思っていたことが転職するとまったく違ったことが多くありました。

簡単な例ですが、あるA社は商品の在庫を置いてある場所への入室退室の管理を徹底しており、入室時間・退室時間を記録していましたが、B社は通常のオフィスの一角に設置しており、誰でも入退室ができ、社員がコソコソ話しをする場所にも使用されていました。

B社にA社の手法を提案しましたが、商品を取ったり悪いことする人はいないし、そこまでやるのは面倒とのことで却下されました。その後、社員の商品盗難疑惑が出てきました。今のままでは社員が悪いことをしようと思えばできる環境にしている会社にも問題があることを伝え、改善をもう一度提案しましたが、悪いことをする人が悪いとの考えでまたまた却下になりました。

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その考え、却下

それではなぜA社はそのようにきちんと対策をしているかというと過去にB社と同じように商品盗難事件があり、社員が悪いことをしない環境を作るのも会社の使命として対策を講じていたのです。このように社員に対して、A社は性悪説、B社は性善説という根本の考え方の違いがあります。

私はこのように考えます。理想はB社の性善説ですが、長い会社生活の中でいつも人の心が良い状態にあるとは限りません。社内の人間関係だったり、上司と部下との間でも仕事を進める途上や部下への指導のときに誤解も生じることも少なからずあります。そのような時に「こんな会社やってられるか!このくらいいいだろう」とちょっとした気持ちで、そばにある商品を持って帰ってしまうこともあります。

これまで、このような小さな横領事件があったのですが、その人は決して悪い人ではないです。ほとんどが仕事や家庭で悩んでいる人でした。だからこそ、社員を悪いことに手を出させない、貴重な社員との悲しい別れにならないような環境を作ることも会社にとって必要な義務だと思います。

 

本題に戻しますが、会社の常識が社会の非常識であることは、このようにそれぞれの会社の中での過去の痛い歴史から成り立っているからです。家庭の常識がそれぞれの家庭で違うのと一緒なのだと思います。

 

社内の常識を打ち破った1つの例なのですが、

クレジットカードのコールセンター運営を担当していた頃にアルバイトの募集を何度かけても応募が1~2人で四苦八苦していました。このまま採用できなければ将来的には拠点の閉鎖に追い込まれることはわかっていました。

「まだ出来ることはあるはず、絶対にあるはず」と言い聞かせて悩んでいました、そして、一般のお店でも人員不足があるはずで、どのようにしているのだろうと休日に買い物に行ったときにそこで働いている店員さんがどのような生活をしている人で、なぜそこで働いているのかを想定してみようと思いました。同じ接客業でも一般のお店はコールセンターよりもハードで椅子にも座れないし、接客と肉体労働もあり、対面の苦労もあるはずなのに、このお店に勤めている理由を観察しながら考えてみました。

すると休日や夜間は大学生か高校生らしき若い方が多く働いています。接客は少しぎこちなくてもレジの操作もスムーズにやっています。

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高校生採用 チャレンジしてみよう!

このような人たちならクレジットカードの業務もできるのではないか?、大学生は募集要項に掲載しているが応募がないので、「高校生」の採用をチャレンジしてもいいのではと思いました。

そして、早速、翌日に本社の人事に相談してみたところ、前例がないとのことでしたが、高校生のアルバイト採用に必要なものの調査を依頼しました。ちょっと嫌がっていました。そして、保護者の同意の書類が追加されるだけとの回答があり、それなら高校生採用開始しますと人事に伝えました。高校生がコールセンターの接客するのは難しいのではないかとの意見もいただきましたが、「教育でカバーするので現場で判断させてください」と伝えました。

そして、社員と管理者を集めて伝えました。

  1. このままの人員不足が続くようではこの拠点の閉鎖につながってしまうこと
  2. 土日夜間の一般のお店は高校生が勤務しているので積極的に高校生を採用したい
  3. 高校生時給が設定されているところが多いが高校生も一般と同じ時給としたい
  4. 高校3年生でも採用し、大学進学しても勤務してもらえるようにしたい

すると全員から反対されました。

理由は

「クレジットカードを使ったこともなく、知識のない高校生に対応ができる訳がない」

「まだ未熟なので社内で事件が起きたりする可能性があるのではないか」

「私の子供も高校生だけど電話対応することができると思えない」

「前例のないことはやりたくない」

などの意見が続出しました。

 

そこで、私の意見を伝えました。

「高校生をどこのコールセンターも雇っていないのがほとんどだが、それはみんなが考えるような思い込みだと思う。このまま通常の採用を繰り返しても難しいのは体感していると思うから、他に手立てがないのが現状です。失敗してもいいからやるだけやってみない? だめならやめればいいだけだし、この拠点が閉鎖になるのを指をくわえて見てるくらいなら、やってみるという選択肢は難しいかな?」

すると全員が黙って考えていました。

「私のイメージを伝えるね、高校生時給を設定しないのはお客様視点だと接客が大人だろうが高校生だろうが電話なので姿も見えないし関係ないこと。高校生に大人扱いするので、背伸びしないといけないけど大人の行動をとってほしいと必ず落とし込む。研修は通常研修以外にクレジットカードの基本から教え、ATMやお店に行って実際に使う手順も見てもらうことからはじめる。友達紹介で入社があったらインセンティブもきちんと支払うというイメージです。人事部も採用時の保護者同意書類の作成を依頼しているので大丈夫です」と伝えました。

社員から「それならやってみるか!」との声があがりスタートすることになりました。

実際にこの採用で人員は補充され、若い頭脳なので覚えも良く、また、クレジットカードを使う大人にも興味があったようで、予想以上に本当にうまくいきました。

採用した高校生からは「高校生時給がないのがよい」と言われたり、クレジットカードの問合せ対応なので「世の中の大人の人って、こんなにお金払わない人多いんですね。びっくりしました。こんな大人になりたくないです」との声もあり、高校生を少し大人にしてあげることにもつながったかな?とも感じ、本当に嬉しい思いになりました。

管理者は高校生たちの予想以上のがんばりを見て、本当にかわいく思えたらしく終業後は学校のようにワイワイするようになりました。本当に楽しそうでした。

しかし、これはファーストフード店などでは既にあたり前に行われていることであり、固定観念で思っていた「高校生はコールセンターはできない」という思い込みは非常識だったということの証明になりました。思い込みはよくないです。

転職経験のある方は特に会社を冷静に俯瞰的に見てみると絶対にあるはずです。転職経験のない方は取引先に自社との違いを聞いたり、訪問時にみたり興味を持ったりしてみてはいかがでしょうか。

他社を自分の視野を広げたり、知恵を知ることにもつながります。