三方よし『売り手よし、買い手よし、世間よし』の会社ですか?
『三方よし』という言葉をご存知でしょうか?
近江商人の経営理念であり商売の原点の
考え方です。
検索してもてもいろいろ出てくると思いますので、ご興味があれば是非検索してみてください。
「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」の商売が長続きして、長期的な経営にもつながるというものです。
商売においての三方とは
◇売り手(商品を販売する側)にとって良い取引きであること
◇買い手(商品を購入する側)にとって良い取引きであること
◇世間にとって良い取引きであること
このような取引きをする当事者同士だけではなく、この取引きが世間にも良い影響を与える取引きでなければいけないというものです。
本当に素晴らしい考えだと私は共感しています。
どれだけ世の中が発展しても企業が真剣に考えるべき重要な考えです。
私はサラリーマン時代は会社のマーケティング施策に疑問を持ったときには、この『三方よし』を当てはめて考えてみて、会議でも質問していました。
通信販売企業での経験した事例です。
私が勤務していた大手の通信販売会社で
「返品時にはどのような理由でも無料で引取りの宅配便の手配をする」というサービス案が出てきました。当時は同業他社も行っていないサービスです。
お客様の利便性が上がり、通信販売でも気軽に試すことができるので結果的に売上がアップする。そして、送料を会社側が負担をしてもそれを上回る利益になるというものでした。
前例がないので、全国へのサービス展開をする前に静岡県だけでテストを開始することになりました。
そのテストの結果は、1客単価がアップ、返品や送料を差し引いてもそれ以上の売上になり利益になるという結果となり、全国展開を行うことになりました。
同業他社からは批判を受けましたが、その後、同業他社も同じ無料引き取りサービスを開始することになっていきました。
当時はとてつもない施策だったのです。
(最近は宅配料金の値上げで無料引き取りは少なくなっていますが...)
このようなことが「三方よし」なのです。
◇ 売り手よし(通販会社)は売上や利益がアップする
◇ 買い手よし(お客様)は返品無料なので、気軽に商品を注文できる
◇ 世間よし(通販利用されていないお客様や通販業界)は通販業界のサービスがアップすることにつながった。通販利用していないお客様も気軽に利用できるきっかけになり、選択が広まりました。
『三方よし』の考えにあてはまるビジネスが結局は今も継続して大きなビジネスになっています。
電気やガス、公共交通機関の電車・バス、それと携帯電話やインターネットプロバイダー等など、今ではどこの家にもあるものは『三方よし』なのです。
普段、生活で使用している日用品のトイレットペーパー、化粧品、薬品もそうです。
このようななくてはならないものを提供することを目指す必要があるのです。
最初の申し込み時点で「契約ですから3ケ月は継続して利用してください」などというものはやはり「三方よし」に当てはまらないので訪問販売のような無理にお客様に押し付けるするようなビジネスは長続きせず淘汰されていくのです。
最近のベンチャー企業の経営者は「利益よし」「売上よし」「自分よし」のように見えます。
利益が出て、売上も増え、自分の報酬も増えることだけを考えていることが従業員にも伝わるから「社畜」という言葉が誕生してしまうのです。
この『三方よし』の考えで「売り手よし」の自分のためだけではなく、「買い手よし」と「世間よし」の世の中にも認められるビジネスを目指すべきだと思うのです。
LINEやメルカリのようになくては困るものをインターネットビジネス上でも事業として行うことが必要だと思います。
ベンチャー企業や利益優先の経営者のみなさん
世の中のため、消費者のため、従業員のためを進め、最後は自分のためにもなる、
『三方よし』の真のビジネスを追求してほしいと切に願います。