社会人失敗談⑦/独裁企業で忖度せず経営者に嫌われ転職へ
私が経験した社会人失敗談の7回目をお伝えしたいと思います。
「この人、くだらない失敗ばかりしてるな~!」と感じられる方もいるとは思いますが、私はこのような失敗を積み重ねてきて、自分がちょっと知恵があれば回避できたのでは?と思うこともあり、敢えて失敗を伝えていきたいと考えて第7弾になります。
私の多くの失敗の中で敢えて失敗してみたこともあります。叱られてやっぱりこれはダメだったと感じながらもその失敗を深く考えることにつながり、失敗は本当に良いことだと心から思います。
失敗には知恵があれば回避することも大切ですし、私のように敢えて失敗してみても深く考えれて、自分の知恵になり大切なことです。
大企業から中小企業の同じ業界へ転職
私が勤務した大企業も中小企業も同じ通信販売業界で両社ともにビジネスの手法はほぼ同じで商材だけが違います。
この両社は互いに広告やコールセンター委託業務で取引きしており、それがきっかけで中小企業から声をかけられ転職することになりました。
この中小企業はクレームやら何やらと面倒なコールセンター業務は委託先に依頼していましたが、売上が伸びてきて社内で体制を強化しようと考え、社内で進めたのですが、研修体制も不十分でノウハウも計画性もないまま、コールに対応できない状況となり、私にヘッドハンティング会社経由で声がかかり、転職しました。
専門業務だけではなく経営にも関わる
転職した中小企業は新卒社員の募集も進めており平均年齢も若く40歳過ぎの私はコールセンターのノウハウが目的だと思っていたのですが一つの組織を担当する役職者として会社の経営などの意思決定にも関わってほしいとのことでした。
私は会社の経営判断にも関われると損益計算書(PL)や貸借対照表(BS)も確認していきたいと考えていたのですが、他の役職者はこのような経営指標は認識していても確認することはなく、経営者が見ているから心配ないとの認識でした。
これが大企業だとインサイダーに引っかからない範囲で社内に公表されていたり、経営層には開示されていますがこの中小企業の役職者は興味がないのは驚きでした。
そこで「このような経営指標を役職者で理解していきましょう!」と伝えても、そこは社長がしっかりやってくれてるから大丈夫との認識で決算書も興味を持たない状況でした。
私は「社長に万一のことがあったらどうするつもりですか?」「会社が運営できなくなるのはリスクではないですか?」などと役職者に伝え
「そろそろ社長依存から卒業して、これから役職者で運営できる体制を目指しませんか?」
などと進言していました。ワンマン経営から卒業する必要があると考えたのです。
このような私の発言が少しずつ経営者に対して脅威を感じさせていたようです。
「そんな経営指標を見るなんてサラリーマンとして普通のことなのに?」と思われる方も多いと思いますが、見られたくない経営者もいるのです。
その理由は社員への賞与の総額と比較しても莫大な役員報酬があったり、その時々で自分の給与を調整してその理由を説明できないからなのです。
元上場企業に勤務した経験のある経営者なので「経営の数字もわかる社員が必要」と当初言っていたのですが、どうも本心は見れるようになってほしくなかったようです。
それでは、この中小企業の役職者会議の議題は?
各部署の役職者が毎週集まって会議をするのですが、その内容は売上や費用や稟議などの議題ではなく、以下のような内容でした。
◆ある社員がこんなわがままを言いだして困っている
◆外部研修の参加の希望があったけど、承認してもよいかの相談
◆休憩中に社員がこんな発言をしていたので問題
◆業務委託先に要望を言われて、断れなかったから要望通りに対応する
◆自分の部署の〇〇さんは言うことを聞かないから次の人事異動で出したい
◆自分の部署に新卒入社の〇〇さんがほしい、その分、ベテランを異動させたい
そこで、きちんとした月例の目標の進捗会議を開催することも提案して行ったのですが、会議中は役職者もあまり発言せず、終了してから意見を言いはじめたりとひどいものでした。
そして、会議の経験のない多くの社員から、「このような会議はうちの会社らしくない」との不思議な意見だけで開催できなくなりました。
このように不協和音があれば経営者はすぐに中止をさせるのです。それでも、やり方を変えたりと工夫をしながら私はやっていたのですが、それもまた経営者からは自分の指示に従わないと感じさせてしまったようです。
新卒社員の育成
毎年、新卒社員が入社してきて、お客様の声から学ばせるために最初は私が担当していたコールセンターに配属してお客様の厳しい現実や社会人としての教育も進めていました。
個々にある程度自律できるように成長させてから、他の部署へ配属させていたのですが、このような指導のできない役職者と社風なのでどれだけ教育をしてもその後の配属先でわがままを言いだしたり、自分の都合を優先する勤め方になったりしていました。
そして、私が言うべき時はしっかり指導するのでその厳しさは、経営者へ悪いこととして伝わっていき、またまた、見えないところで経営者に嫌われていました。
忖度しなかったため退職することに...
私が敢えて、経営者から嫌われても変えたかったこと
◆正しい意見や正しい行動は認める会社になってほしい
◆会社の未来に希望をもった新卒社員を他社でも通用する人材になってほしい
◆経営者への忖度が仕事ではないことを理解してほしい
これを誰かが本気で変えようとしなければ、この小さな会社はつぶれてしまうことの危機感を感じていました。既に翌年から売上が下がることは見えていました。会社が倒産の危機になったら、指をくわえて見るしかできない社員だけになってしまう危機感を感じていたからです。
そして、退職へ
この会社の経営者は「同族経営はやらない」「10年後に社長を社員から選出する」と公言していたため、尚更、将来の会社を心配して行っていたのです。
しかし、経営者のマネジメントを否定するように受け取られたようです。
普通に働いていて私は居心地がだんだんと悪くなっていったのですが、どうも経営者は私が席にいるとその近くには来ないようにして、避けられていました。
私に対する憤りがあるのであればはっきり言ってほしかったのですが、そのようなことも出来ないようで、子供が嫌いな友達を避けるような方法ばかりを少しずつ行うため、いい加減、嫌気がさしてきて退職しました。
自分がはじめたビジネスのレールの上だけを社員に走らせたかったようです。自らレールを作ったり、早く走ったりする人間はいらなかったようです。
大企業は社員に「自らレールを作って自分で早く進むことを望みます。」
この中小企業は「カリスマの俺の作ったレールの上だけを順番に進んでくれと望みます」
中小企業の経営者が全てこのような考えではないと思いますが、私の経験したほとんどの中小企業の経営者はこのような発想に近い思考を少しずつ持っていましたが、ここまで全てが自分というのは驚きでした。