第6回「器の大きい振りされて、振り回された」/社会不適応の自分が適応してきたこと
第6回になってきて、何を第1回目からはじめたのかわからなくなりそうだったけど、思い出しました。
あらためて自分の性格から打ち明けて、「これまでさんざん愚かな落とし穴に落ちたこと」、「それでも何とかやってこれたこと」を伝えて、たまたま読んでくれた方が「自分はこんなにならないよう”がんばろう!”」と思えてくれた嬉しいとの思いからでした。
某関西の中小企業の社長さまに「器の大きい振りされて、振り回された」お話しです。
この中小企業とは関西方面で仕事しているときに取引きしていた会社だったのですが、東京に転勤して半年後にこの関西の会社の社長さまから電話があり、何かと思ったら
「今、社内がうまくいってなく困っているから来てほしい」とのお話しでした。
すぐ左横には上司が座っていて何とかごまかしたのですが、普通の表情ではなかったと思います。
「こんなことあるんだな...すげ~俺!」
とかと思ったのですが、
実はちょうど密かに転職を考えていたところで、転職の紹介会社に「今のままがいいんじゃないですか?」と言われたところだったので本当に驚きました。
「もういいよ、この会社でやってくよ」と少し投げやりだったので「これは運命だ!」とまで思いました。後に後悔することになるのにです。うまい話しはないのです。
そして、家族と共に引越ししてまで転職しました。
入社したときに最初にその社長さまに言われたことは、
“とにかく思い切り、やりたいようにやってくれとのことでした!”
「ワー!スゲー!器デカ~!さすが社長さまは言うこと違うな~!」と思いました。
でも、社風も文化もわからないけど、それをやりきることをしなければとプレッシャーがかかりながらも自分の考えで、いろいろ変えていきました。
毎日、朝から夜まで仕事して新天地なのでものすごく疲れます。
ただでさえ「気にしい・神経質・自意識過剰・人見知り・M気質・消極的・人が苦手」という弱い人間なので、それはそれはもう溺れそうなくらいもがき続けていました。
だって、優秀な自分を演じないといけないからです。
そして、いろいろ進めていると社長さまに疑問をもつことが出てきました。
私の部署で勤務している社歴10年以上の社員を呼んで、
「私の運営方法や進め方はどうか?」のヒアリングをすると言うのです。
何を言われるのか内心はドキドキしました。
そしてヒアリング後に私にフィードバックもなく、どのような話しになったのかをこちらから質問しても明らかにしてくれませんでした。
「不思議ではあったのですが、言いにくいのかな?」程度に思っておくことにしました。
それから、年末の社長さまとの面談で
「来てくれて助かった。自分が現場に携わることが少なくなり売上に集中できる!」「これからもやりたいようにやってくれ!」
とのことで私への指摘も遠慮なく言ってほしいことをお伝えしましたが「何もない」とのことでした。
そして、いろいろな改善を続けていったのですが、私に進めてほしくないことは別の部署の長を経由して「社長が〇〇はやりたくないと言っていた」と伝えられるのです。
これが何度もありました。
途中で「私には直接言いずらかったのですか?」と聞くと「私にもわからない」とのことでした。
その社長さまは残念ながら、直接言うことができない人だったのです!
そして、社内でも良い話のときだけ前に出るというまるで国と国が事前に事務方が協議して、良い話になってから会談を行うようなことをしたい人だったのです。
100人もいない中小企業にも関わらずです。
「わ~!失敗した~!」と思いました。
こんな私でも、久しぶりに経営者の近くで仕事ができるので、その手腕や度胸など学びたい思いもあり転職したのです。
本当にがっかりしましたが、これから良い部分も見えてくるだろうと前向きに自分を持っていきました。
しかし、がっかりすることがその後も多くありました。
ほとんどが守りの発想ばかりで驚きました。
◆会社の売上を上げていったり、成長させたりすることはしない。
◆上場など目指すつもりはない。
◆社員が安心して働いてくれればそれだけでよい。
◆一番大切なのは自分の家族、次が社員、でも社員は家族だ
◆直感が大事だ
もう訳わからないです。
元々、会議がなかったのですが、会議を開いて参加してもらってもすぐに飽きて退室したり、あまり意見も言ってくれませんでした。
まるで、年老いたどこかの会社の会長のようでした。
そして、会社の売上が下がっても新しい商品を投入することもせず、毎日、取引先との食事会ばかりしている方でした。
そのような会社なので、私が変えないとと思って行動してたのですが、それがまた嫌だったようで、また、間接的に「それは社長がやらなくてもいいと言っていました」と他の部署から聞くのです。
中小企業はそうかもしれませんが、このようなことは「生真面目な私」にとっては不信感でしかありませんでした。
そして、嫌われていったのですが、引越しまでして、子供にも苦労をかけてしまった末がこれかと思うとやり切れない思いにもなりました。
「運命」などど感じた自分がバカでした。
これまで「運命」を感じたことはありませんでしたが、この会社に入社して社長さまが「直感は大事だ」などと言うので信じてみたこともありましたが、その類で判断したことはあまり良い結果にはならないことをこの会社で知りました。
結局、その後もいろいろ理不尽なこともあってその会社は8年ほどで退職することになりました。なんと退職金は50万円程度でした。
退職することを伝えると「いったいどこの会社にいくのか?」を聞かれ回答を断ると他の社員経由で私に聞くように仕向けたり、「退職金は規程は少ないから別に個人的に出す」と言われたりとありましたが、2~3ケ月待っても振り込まれることもありませんでした。連絡してみたらやっと振り込まれましたが、まるで小学生の噂話レベルです。
新卒で入社してくる新入社員のレベルが低いのも、こんな私に声をかけたのも自分のいいなりになりそうな人を選んで採用していることもわかっていきました。
社員が仕事をバリバリやられると自分の信者ではなくなることが怖く、自分よりも確実に下と見える人だけを集めるようにしていました。
私は想定外だったらしいです。
こんな奴と一緒に仕事して、貢献しようなどと考え選択した自分の責任ですから受け入れていますが、とにかく騙されたと感じる出会いでした。
「立場が上なのに逃げる奴」は本当に大キライです。
「もっと責任持てよ!おめえはしゃちょ~さまなんだろ~!」って言いたいけど、言えなかった自分はもっと仕方ない奴なのだろうと思います。
自分がくだらない人間だからくだらない人間に寄っていったり、寄ってこられたりするのだろうなと良い人生にするにはもうひと踏ん張りが必要なんだろうと身に沁みました。
読んでいただいた方が後悔のない人生を送れることを祈っています。