はじめてチームみんなで乗り越えた経験
私は何をするにもチームワークでするべきだというのが信条でこれまでやってきました。
当然、学生時代のさまざまな活動やスポーツも仕事もです。
特に仕事はチームワークで業績が大きく変わることも経験してきました。
人間のチームワークができたときの爆発力は本当に凄いと感じた経験もあります。
しかし、仕事でそのような経験をしている人は少ない上、仕事は個の実力と考える人が多いですよね。
会社には個人の評価というものもあるので、更に個の力をアピールすることに目が向いてしまうのでしょうね。そのような自分中心の考えをしている人に周囲は気づいていて冷ややかな思いで見ていたりします。
このようなことが会社にチームワークが進まない原因です。
私は起業したら、チームに対する評価やチームワークに対する評価の仕組みを作りたいと頭にイメージがあります。いつかやってみたいです。
ところでチームワークがなぜそんなに好きになったのか?を考えてみると原点はラグビーかもしれません。(ラグビーワールドカップがあったからではありません)
私は岩手出身なのですが、中学と高校時代に実家のすぐ近くに岩手県釜石市の新日鉄釜石ラグビー部があり、当時は毎年1月15日の成人の日に国立競技場で社会人日本一と学生に日本一が対戦する日本選手権があり、新日鉄釜石は7連覇の記録を作りました。
選手は他の社会人チームとは違い練習時間は仕事が終わった時間からしかできないにも関わらず7年連続で優勝という記録を残しました。
私の中学にも当時の監督が講演にきてくれました。そして、高校になると選手で一番活躍していた現在スポーツジャーナリストをしている松尾雄治さんが来て講演をしてくれました。
ラグビーはチームスポーツの中でも自己犠牲の精神があるスポーツということに感銘を受けたことを今でも覚えています。
私は高校を卒業後、上京して学生をしながら日本橋兜町の投資会社のテレフォンアポインターのアルバイトで仕事上のチームワークで乗り越えた経験をしました。
この会社は大学などの卒業性名簿からサラリーマンに電話をかけて投資のアポイントをとる仕事だったのですが、学生が10名ほど一緒にやっていました。
このような投資のアポイントはなかなかとれるものではなく、罵声を浴びせられることもあり、誰もが嫌になりながらもやっていました。嫌々やっている仕事で成果が出るはずもありませんので、部署の成績はアポイントが月間1~2件と当然悪い状況でした。
ある日、アルバイト全員集められその部署の主任から、「1週間で成果が出なければこの部署は閉鎖することになるから、これからどうするかみんなで考えてくれ!」と言われて会議室にアルバイトだけ残されました。
そして、一人一人この仕事がなくなることに対し、意見を言い合いました。
一人暮らしの学生が多く、私も含め「この仕事がなくなると困る!」という意見がほとんどでした。
そして、「今まで私たちは真剣に取り組んでこなかったから、このような状況になっている」ということを誰もが認め合い、心から反省しました。
そして「閉鎖になるなら、最後とことんやってみよう!」という意見や「アポイントがとれそうなときに周りも応援しよう」という意見も出ました。
そして、1日にかける電話も目標を100本として、1週間最後までがんばってみようと取り組みはじめました。
それから、誰もがこれまで見たことのない真剣な顔で電話をかけ続けました。私も周りに触発され、断られても断られても必死にかけ続けました。
アポイントがとれそうな会話が聞こえてくると電話を終わった人からどんどんそばに行き、メモでいろいろなトーク案を差し出し、対応している本人もそれを見てトークすることでお客様への説得力が増してアポイントにつながりました。
そして、アポイントが取れるとみんなで拍手して喜び合いました。
するとその日に2件、その翌日にも3件と毎日アポイントが取れ始めました。月に2件程度しかとれなかったので本当に驚きました。そして私も3日目にやっと1件とれました。
1週間で全員が1件~2件ほどアポイントが取れました。
そして、1週間後に部署の継続が決まりました。
一番喜んでいたのは部署の主任でした。目に涙を浮かべていたのを見て、
「みんなでがんばってみて本当によかった!これからもがんばるぞ!」
とみんな心に誓っていました。
このように電話は一人一人の個の仕事なのですが、やり方次第でチームワークにもできるのです。
この時はじめて、個の仕事でもチームの一体を感じながら進めることができることに気づかされました。
今、思い出すとこのアルバイト先でいろいろ社会を教わりました。
「このような仕事でのチームワークができること」
「個の仕事もチームワークにできること」
「声だけの電話でも心を乗せることで人の心を動かせること」
「電話という手段だけでも目標の達成感を感じることができること」
などなどです。
私がその後、社会人になり最終的に「コールセンター」の仕事で20年以上勤めたのは意識はしてなかったのですが、この経験がベースにあったからかもしれません。振り返ってみてそのように思います。
これを読まれたみなさんも自分の職業はたとえ転職を繰り返してたとしても自分が体験して、成功したものや良かったと感じたものになるのかもしれません。
これまでの経験で良かった経験の職種が将来「天職」に感じる日が来るかもしれません。だからこそ、アルバイトでもどんな仕事でも懸命にやってみることが大切なのだと思います。そのようにすれば、その先が見えてくるのだと思います。
「懸命にがんばった人にしか見ることの出来ない乗り越えた世界」もそうですが、「チームで懸命にがんばって乗り越えた世界」も素晴らしいものです。
ご参考になれば幸いです。