社会人失敗談⑤/お客様に嘘をついてごまかした話
私の失敗談は他の記事よりも読んでいただいているので、今日は第5回をお伝えしようと思います。
自分の弱さからお客様に嘘をついてしまうというやってはいけないお話です👇
お客様からのクレーム対応で責任ある立場で対応しているにも関わらず、更に失敗をしてしまったお話しです。
私が責任者として対応していたのは、男性のちょっと怖めのお客様からの電話でした。
お届けした商品の木製デスクが部品の木片が不足して組立ができないとのことでした。お客様は「責任者出せ~!」と電話に出たオペレーターに要求され、私が対応を代わりました。
「どうしてくれるんだ!部品の木片が入っていないから組立てできないじゃないか!
すぐに持って届けろ!」とのことでした。
在庫検索すると商品の在庫がありませんでしたが、調査して折り返し電話させていただく約束をしました。
そして、実際に物流センターに調べてもらい、在庫は1点もなく、保管している部品の中にもお客様に不足していた木片はありませんでした。次回の中国からの入荷は1ケ月先です。その入荷分から抜いて届けるしかありませんでした。
そして、その怖い男性のお客様に電話しました。
●商品の在庫がなく、部品だけもなく、すぐに届けられないこと
●お届けできるのが1ケ月先になること
●もし可能なら手元の商品は返品し、他の木製デスクに切り替えていただくこと
すぐに届けられないことを案内しただけで怒鳴られました。
そして、届けられるのが1ケ月先になることを伝えると「お前が今すぐ中国に行ってとってこい!」と更にボルテージは上がりました。
他の商品への切り替えについては聞いていただきましたが、お客様が希望する商品は全て欠品ですぐに届けられず商品の切り替えもできませんでした。
そして、これ以上できることはなく、お客様からは「待つから半額にしろ!」との要求がありましたが、20%値引きが最大とお伝えしたところ「それ以外に何かしろ!」とのことで、お詫びの気持ちを伝えたくお詫び状をお送りしますということで、仕方なく納得いただきました。
そして、この対応が終了した後にも別のクレームが発生していたため、他の案件も次々と対応していました。この頃は通販ブームで売上も伸びていたため、ピークには社員一人が20~30件のクレームを常時抱えている状況でした。
そして、なんと私はこのお客様のお詫び状の発送を忘れてしまったのです!
2週間後にこのお客様から私宛に電話がありました。
電話に出てみると最大のボルテージで第一声に
「てめぇ~このやろう!いつになったら詫び状届くんだ!俺をバカにしてんだろう!!」
とべらんめえ口調で怒鳴られました。
「心の中で約束した詫び状を送るの忘れてた!」と気づきました。
あまりの恐ろしさに気が動転した私はつい嘘をついてしまいました。
「申し訳ありません。発送はしたのですが届いておりませんでしょうか?」
拳を振り上げたお客様はなかなか気持ちが収まらず
「それなら郵便局も調べさせろ!」
とのことでした。そして、もう1度発送することと郵便局を調べて2~3日以内に調査結果の電話をさせていただくことを伝えました。
私は早速、詫び状を送る準備をしましたが、もう一つの自分が発送していない詫び状をどのように納得してもらえるかを悩みました。
そして、最低なことを思いつき実行してしまいました。
それは詫び状を2通作成し、1通は本日付けでもう1通は2週間前の日付にして、その2週間前の古い封筒を汚してから投函しようと考えたのです。
そして、2週間前の日付けの封筒を一度くしゃくしゃにしてシワを付け、外で自分の靴で封筒に汚れをつけてから、本日付けと2週間前の2通を投函しました。
そして、それから2日後にお客様に電話を入れました。
「詫び状が今日届いたよ。しかも2通一緒にね。1通の古い方は汚れてたよ。」とのことでした。
私は「本当に申し訳ありませんでした。最初にお送りした詫び状も届いてよかったです。この度は本当に本当に申し訳ありませんでした。きちんと届けられなかったことも責任を感じております。」と自分が嘘をついてしまっていることも含めて真実は伝えずお詫びしました。
いつも以上に謝罪の気持ちがお客様に伝わったのか、この詫び状が届かないという件はご納得していただきました。
このようにお客様にスムーズにご納得いただいたからこそ私自身は自分のやったことの罪の意識が残りました。
この件を乗り切れたのですが安堵した気持ちは一切なく、お客様に本当に申し訳ない思いともう2度とこのようなことはしたくないという気持ちが残りました。いまだに思い出すことがあり、「自分でつけた自分の心の傷」になっています。
私はこれ以降、社会人としてこのように逃げたくなったり、うまいことやったりすることは何度も頭に浮かびましたが、そのような安易な方法や簡単な方法を選択することはしないようにしてきました。
そして、
「私生活でも仕事でも大事な選択をしなければいけない時には常に難しい方を選ぶように自分に言い聞かせ選択しています」
それが自分を厳しいところに身を置くことになり、自分の成長につながると教わったからです。
今も厳しいところに身を置いてしまい、孤独に苦しんでいます。
でも、この苦しみがいつか花を咲かせることを信じています。
これを読んでいただいたみなさんも「自分の心に傷をつけるような嘘」のない人生を過ごされてください。本当に祈っています。