クレーム対応経験で感じたこと(日本人は電話口だけ虎になる)
私はこれまで通販のコールセンターやカスタマーセンターで管理業務全般を行ってきました。コールセンターの仕事はおおまかには
「オペレーターのシフトなどのメンタルも含めた管理」
「業務の進捗管理」
「業務を数値化した報告作成」
などなど多くあり、一見広く浅くの業務でもあります。その中で実は誰もが嫌がる業務が「クレーム対応」です。
オペレーターが対応できなかった案件や「責任者に電話を代われ!」「上に代われ」と言われたクレーム対応には管理者が対応するのですが、月間50件以上対応していた時期もあります。
電話だけで対応が終了するものもありますが、お客様の自宅に訪問することもあります。大したことでもないのに謝罪訪問を要求されて、行ったこともあります。
これまでの私の電話での責任者クレーム対応件数は5千件以上で謝罪訪問は300件以上はあると思います。
このようなクレーム経験を1件1件積み重ねてきた中で、いろいろな疑問を持ちました。
◆こんなことで、なぜそんなに怒るのだろう?
◆人生の中でイライラするようなことが重なっているのかな?
◆クレームで稼いでいる人なのかな? ⇒ ※これは実際にいました。
◆クレームで謝罪に訪問させたことを自慢したいのかな? ⇒ ※これも実際にいました。
◆とにかくクレームを言って安くしてもらいたいのかな? ⇒ ※これは多くいます。
などなどです。
謝罪時に持参する「菓子折」がほしいだけとの方もいました。
最大の疑問は
「電話口で怒鳴っていたお客様が謝罪で訪問した時に、同じトーンで怒る方は300件以上訪問した中で2~3件しかいなかった」ということです。
99%のお客様が訪問時では怒鳴るようなことはありませんでした。
怒鳴られると謝罪訪問するのも恐ろしくなります。
「てめ~このやろう~!」「いいからすぐ来い、このやろう!」など
訪問したら殴られるのではないか?
怖い人が出てきて大変なことになるのではないか?
反社会勢力の人だったらどうしよう?
などなど不安になります。
しかし、実際にご自宅に行くと怒鳴られません。あの電話口の勢いはどこにいったのだろうと思えるほど、丁寧に対応いただいたりしたこともあります。
自分がお客様ならどうだろうと考えてみましたが、そこまで執着しないので、理解できませんでした。
あるクレームで外国人の方のところへ謝罪訪問したことがあるのですが、そのときには電話口も実際に対面しても同じトーンというか電話口以上に怒られました。
ソファのクッションを投げつけられたりまでしました。
このときに一緒に謝罪訪問したのが元警察官だった社員です。
そして、この疑問をぶつけたところ、教えていただきました。
「日本人は電話口だけ虎になる」との言葉があるんだよ。日本人は電話ではほえるけど対面だと言えない人が多い。日本は島国だから他の国と違っていつ国境を越えて侵略されるかわからないということがなかったので、昔からあまり戦うことになれていない。だから、対面するとあまり言わなくなるとのことでした。
日本は外交もあまり上手ではないのは、そのような比較的安全な島国という環境にいるからとのことでした。
これが本当に正しいかどうかはわかりませんが、納得できる教えでした。
確かに私も電話は問合わせするけどお店などではあまり聞かなかったりするのは、そのような思考なんだろうか?、安全な環境にいるからなんだろうと思いました。
この話を聞いてから、クレーム対応をする気持ちが少し楽になりました。
「クレーム対応がこじれても最悪は謝罪訪問すれば解決できるはず」
「ほとんどのお客様が本当は良い方できちんと対応すれば大丈夫」
と思うだけで冷静に安心して対応することができるようになりました。
どんな仕事でも考え方やこのような小さな知識の蓄積が大事なんだと本当に思えます。
もし、コールセンターの管理者やお客様相談室、お店などで対応に苦慮されている方が、いらっしゃって怖さや何が起きるかわからないという不安を持っている方がいらっしゃたら、ほんの少しでも気持ちが軽くなっていただけたら嬉しいです。
また、クレーム対応経験はそれなりにやってきていますので、
会社やお店ではなく、個人でもSNSなどでクレ-ム言われてお困りなどありましたら、DMいただけたら、私の経験の範囲とはなりますが、少しでもお役にたてるようご協力させていただきますので、おっしゃってください。