自分が目指す『尊敬する人間』を求めるための転職だった!
岩手の田舎の小さな町で生まれた私は情報はテレビからがほとんどだったので、大都会の東京が一番の憧れでした。
地元の高校を卒業し、進学や就職で東京・仙台に行く人が多かったのです。
私も目指すものもなく世間も知らず、とりあえずという感じで東京の短大に進学しました。短大というのもとりあえず感が出ていますが...
第一の尊敬する人
そして、卒業し20歳で東京の医療機器関連の中小企業に就職しました。
東京の会社には尊敬できる凄い人がいっぱいいるのだと信じていました。
そして、実際に仕事をはじめてみると医療機器という普段は目にしないマイナーな商品の数々で最初は訳わかりませんでした。
商品名は覚えてもどのように使用するのかはほとんどの社員が知らないのです。唯一、知っていたのはやはり社長でした。取り扱い商品は1万以上あったと思いますので、本当に驚きでした。
そして、私もその社長のように
「商品名だけではなく医師の使用方法までも知っている人間になりたい!」
という目標ができたのです。
メーカーの人に使用方法を教えてもらったり、自分で大きな本屋さんに行き、看護師や医師の専門書を買って知識をつけていきました。
そして、もっと知りたいという思いになり、今度は医療機器メーカーに転職しました。
当然、この会社はメーカーなので商品の使用方法は誰もが知っているのです。
私も知識を求めてこの会社に入社したのですが、メーカー内の限られた商品なので知識をつけると目標がなくなってしまいました。
そこで気づいたのが
「目指すことは知識ではない、もっと何か大きなものがあるはず!」
そして、医療機器業界ではなく、もっと一般の人が使用する身近な商品の会社に行こうと転職を決意しました。
第二の尊敬する人
転職したのが、上場企業のカタログ通販会社でした。
取り扱い商品は数万点の大きな規模でした。
メジャーな商品ばかりなのですが商品知識はどのように覚えていくのだろうと疑問に思っていたのですが、季節ごとに商品もデザインも変わっていくので覚えてもすぐに商品が変わっていくのです。これまで目指していた「知識」という価値が必要なかったのです。お客様から商品の詳細の問合せがあれば取扱説明書で回答することで対応できるのです。ここでも最初は知識が大事と考えていたのですが、あまり必要はなかったのです。
しかし、この会社には自分のこれまでの考えを大きく超える人との出会いがありました。
この会社の役員です。
この役員はいろいろな社内のマーケティング本部やカスタマーサービス本部や人事部も経験している方で、自ら進んで会社の改革に取り組んでいる方でした。
自分の部署最適な縦割りの社内風土を変え、横の連携を高めるために自ら他の本部の社員も巻き込んだプロジェクトを立ち上げるなど社内ではこれまでにない手法を取り入れて改革を起こしてくれていました。
また、同業に近い企業の経営層とも積極的に交流し、私たち社員も同席させていただき、社員教育にも積極的に取り組んでいました。
遠隔の全国の各拠点の状況も毎日の日報の数字だけで内情の問題発生も予見でき、必要に応じて出張し、問題も未然に防いだりと非常に優れた方でした。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」
を実践している方でした。
拠点のアルバイトの従業員に対しても出張時にはミーティング時間をとって一人ひとりに期待を込めた話しをして意欲を引き出すことも見せてくれました。
私たち社員との夜の会食で話しをしていても私たちのようなお客様に近い現場よりもお客様の気持ちを純粋に真剣に向き合って考えている方でした。
「役員なんて現場の本当の苦労も知らないで要求することばかりだ。」
と考えていたのですが、そのようなことは一切なく、状況によってはお客様のご自宅に謝罪で訪問することもされていました。
「世の中にはこんなすごい能力のある人がいるのか、やはり上場企業は違うな!」
心から尊敬しました。
そして、次の目標ができました。
『自分もこの役員のような本物の社会人になりたい!』
会社の課題に対して自ら動くことができる
会社に影響をもてる
自分の立場よりも下に対して惜しみなく動ける
人の心を動かす説得力がある
背中を見せて人を育成することができる
悩んだときには常に難しい方を選択する
この目標はあまりにも難易度が高く、非常に時間がかかりました。
よって、私の会社勤めで最長の17年この会社に勤務することにもつながったのです。
いつも苦しい時や悩んだときには
『この役員が今の自分の置かれている立場ならどのように行動するだろう?』
と考えて決断するようにしていました。
『悩んだときには常に難しい方を選択する』と教えられたことは苦しい方を選んでいるので後悔しそうに何度もなりましたが、正しかったと今でも振返って思います。
第三の尊敬する人とは出会っていません
先ほどの役員のおかげでヘッドハンティングの声もかかえていただき、中小企業ではありますが、年収も上げる転職もできました。
そして、その職場の創業社長は通信販売であるにも関わらず、全国のお客様のご自宅に訪問して感謝を伝えることを実践しており、その姿勢に共感して入社も決めました。
次の尊敬する人に一時なったのですが残念ながら、
心からお客様に感謝しているのではなく、会報誌に掲載するため、従業員に見せるためのパフォーマンスでした。
信念のない行動だったので、理由なく中断することになりました。
目標にすることができませんでした。
しかし、私もこの会社では、先ほど紹介した役員と同じような行動をして会社に影響することや育成の活動も進んで行いました。しかし、この経営者は私のそのような行動を良いとは考えてもらえず、結局は退職することにつながっていきました。
尊敬する人を探すこともおすすめです。
これまでの自分の経歴を俯瞰して冷静に見てみると
このように”尊敬する人”や”目標とできる人”を追いかけ続けていたのだと思います。
そして、私は表面的なものよりも”本物”を追い求めていたのです。
これからも私の潜在意識がより高い本物を追い求め続けていくことになると思います。
読んでいただいたみなさんは職場に目指すべき人、目標となる人はいますか?
そのような人を尊敬するだけではなく近づき超えることを受け入れてくれる人ですか?
業績の目標ではなく、人間の目標との出会いを求めて、転職を続けてきました。
みなさんも人間の目標になる人を見つけてください。